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この記事の正式な表記はアシㇼパです
便宜上、アイヌ語の小文字カナ表記を通常のカタカナ表記に直しています。

アシリパアイヌの少女。幼少期に国外出身のアイヌである父親から狩猟技術を教わり、日本語も堪能だった。退役軍人の杉元佐一と知り合い、父親を殺した金塊強奪犯にたどり着くため刺青の囚人捜索に協力する。アシリパと杉元は囚人の1人白石由竹や父親の友人キロランケらと行動を共にし、同じく金塊を狙う鶴見中尉指揮下の第七師団と対立した。旅の途中、アシリパは金塊強奪犯の「のっぺらぼう」が死んだと思っていた父親本人であったことを知る。

経歴編集

生い立ち編集

幼少期、アシリパは生まれて間もない子供に名前を付けないアイヌの伝統に従い、エカシオトンプイ(「祖父の尻の穴」の意)と呼ばれていた。アシリパの母親は出産後すぐに病気で他界し、母方の祖父もアシリパがまだ幼い頃に死亡した。アシリパは母方のフチ(祖母)の家に住み、小樽付近のアイヌコタンで育った。[2][4] アシリパには小蝶辺明日子という戸籍上の名前(和名)があったが、その名前を知っていたのは彼女の父と母、そして父の友人キロランケだけだった。[1] アシリパには男の兄弟がおらず、狩猟技術は父親から教わった。[5]

幼少期、アシリパは小熊を弟のようにかわいがって世話した。アイヌの伝統では育てた小熊を神々の国へ送るため殺すことになっていたが、アシリパは黙って小熊を逃がそうとしたため、家族に叱られた。[2]

ある日、アシリパとその父親は、猟師を殺して獲物を横取りする卑劣な悪党たちに狙われた。アシリパの父はとっさに熊の尻に傷をつけて逃げ、すぐに毛皮商のところへ行った。すると同じ傷の熊が持ちこまれており、売った男は御用となった。その男には3人の仲間がいたが、二瓶鉄造を狙ったため返り討ちに遭い、皆殺しとなった。[6]

幼少期、アシリパと父親は山でヒグマに襲われていた純白のエゾオオカミを救い、「白い」という意味でレタラと名づけた。金塊を巡る虐殺事件で父親を失った後も、アシリパはレタラと2人きりで山に行った。ところがレタラは飼い犬にはなれず、やがて他のオオカミの鳴き声に呼ばれ、アシリパのもとを去ってしまった。[7] しかし、その後もレタラは友人としてたびたびアシリパの前に姿を現した。

金塊強奪事件編集

アシリパの父親は、アイヌが和人に対抗すべく集めていた金塊を横取りし、持ち主のアイヌを皆殺しにした。彼は死刑囚として網走監獄に収監され、「のっぺらぼう」という呼び名で知られるようになる。アシリパはこの事実を知らず、犠牲となった7人のアイヌの1人(死体は獣に食い荒らされていた)が父親だと思い込んだ。

杉元との出会い編集

金塊を巡るアイヌの虐殺事件が起きてから5年後[8]、アシリパはヒグマに襲われていた杉元佐一の命を救った。杉元は別のヒグマに殺された後藤の死体を運んでいたが、アシリパは一度狙った獲物に執着するヒグマの習性を説明し、死体を捨てるべきだと助言した。しかし、杉元は生前の後藤から聞いたアイヌの金塊にまつわる噂を明かし、刺青の囚人の死体をヒグマから守らなければならないと訴えた。アシリパは父親を殺したと思われる金塊強奪犯にたどり着くため杉元に協力し、レタラの助力も得てヒグマを仕留めた。その際、アシリパは勇敢さと戦いの才能を備えた杉元を高く評価し、以後、刺青の囚人を探す旅で行動を共にすることになる。[9]

小樽の街で囚人について訪ね回った後、アシリパと杉元は最初の囚人を罠にかけることに成功する。2人はこの男から、囚人たちに刺青を彫った人物が「のっぺらぼう」と呼ばれていることを教わった。アシリパが刺青の模様を紙に写していた時、第七師団所属の尾形百之助上等兵がこの囚人を狙撃で射殺した。杉元は尾形を撃退し、殺された囚人の皮を剥いで刺青人皮を手に入れた。[9]

その後、アシリパと杉元は前回と同様の手口で囚人・白石由竹を捕まえる。「脱獄王」の異名をとる白石は拘束をほどいて逃亡したが、杉元とともに極寒の川に落下し、生き延びるために力を合わせることになった。低体温症による死を免れた後、白石は囚人の人数が24人であること、脱獄を指揮した親玉が土方歳三であることを杉元に教えた。[9]

第七師団との戦い編集

白石が去った後、アシリパと杉元は第七師団の玉井伍長、谷垣源次郎岡田野間に追跡された。杉元は樺太式スキー板を使う第七師団からは逃げ切れないと判断し、アシリパに刺青人皮を託して別行動を取った。アシリパはクマなどが使う「止め足」の技術で足跡をごまかし、木の上に姿を隠したが、東北マタギの谷垣に見つけられてしまった。アシリパは刺青人皮を持っていることを知られてしまったが、レタラに窮地を救われた。一方、谷垣の仲間の3人はヒグマの襲撃で命を落とし、杉元は無事にアシリパと合流した。谷垣はレタラの攻撃で脚を折っただけだったが、アシリパは余計な殺人を好まず、杉元には彼が死んでいると嘘をついた。[10]

その後、アシリパは杉元を自分のコタンへ連れて行き、フチやいとこのオソマを紹介した。コタン滞在中、アシリパにも愛する家族がいることを知った杉元は、彼女をこれ以上危険な旅に付き合せるわけにはいかないと考え、夜中に1人で出発した。翌朝、アシリパは杉元がいないことに気付き、捜索のためレタラを呼びだした。アシリパは杉元が忘れていった靴下の匂いを追跡させたが、レタラが小樽の街で見つけ出したのは白石由竹だった(川で遭難した際、2人の靴下が入れ替わっていた)。[10]

アシリパと白石は杉元が第七師団に捕まり、兵舎に閉じ込められていることを知った。白石は金塊を発見したら分け前を譲り受けることを条件に、アシリパと手を結んだ(以降、彼も旅の仲間となった)。杉元は兵舎から脱出した後に第七師団の鶴見中尉に追跡されたが、アシリパは鶴見の馬に毒矢を放ち、杉元を逃がした。その後、アシリパは杉元を「ストゥ」で厳しく折檻した。[11]

また、アシリパはそれまで杉元の味噌オソマ(うんこ)だと思って嫌がっていたが、第七師団との戦いの後、杉元・白石と3人で桜鍋を囲んだ際に初めて口にした。[11]

二瓶鉄造との戦い編集

第七師団との戦いを終えた後、アシリパ一行は脱獄囚の1人にして伝説的な猟師、二瓶鉄造と対立することになった。二瓶は山の中で倒れていた谷垣を発見し、最後のエゾオオカミ・レタラを狩るという猟師としての共通の目的のもと、本来の立場を忘れて手を結んでいた。アシリパは白石から二瓶に関する話を聞き、彼がレタラを狙っていることを知った。その翌日、アシリパ、杉元、白石の3人は、森の中でレタラを待ち伏せする二瓶を発見した。二瓶は罠に誘われて出てきたレタラに発砲したが、アシリパが一瞬早く矢を放ってレタラを驚かせたせいで命中しなかった。[11]

杉元・白石がそれぞれ二瓶・リュウ(二瓶の猟犬)と戦っている最中、アシリパは谷垣に捕えられた。谷垣はアシリパを人質にとって脅迫し、杉元と白石を降伏させた。自分の死にざまをアシリパに見せたくないという杉元の願いを聞き入れ、谷垣はアシリパを離れた場所へと運んだが、その途中でアイヌのアマッポ(鹿狩り用の仕掛け矢)に嵌まってしまった。アシリパは毒矢が刺さった周辺の肉をえぐり取ることで谷垣の命を救った。一方、杉元は脱獄王・白石のおかげで拘束を解き、二瓶のもとから逃げ去った。[11]

二瓶はアシリパを拘束し、彼女の友人であるレタラを救い出した。二瓶は望み通りエゾオオカミとの対決を果たすことができたが、レタラの「つがい」のオオカミに首をかみ切られ、命を落とした。杉元が二瓶の刺青人皮を回収した後、アシリパは負傷に苦しむ谷垣をアイヌコタンへ連れ帰った。[11] その後、谷垣はアシリパのフチやオソマたちに面倒を見られながら徐々に回復していく。

人物編集

メタデータ編集

アシリパは野田サトルによるマンガ『ゴールデンカムイ』のキャラクター。同作のヒロイン的存在だが、多彩な顔芸を披露する。

登場話編集

Goldenkamuy 2

アシリパとレタラが描かれた第2巻の表紙

脚注編集

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