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二瓶 鉄造(ニヘイ テツゾウ)は北海道の猟師。1人で200頭を超すヒグマを狩り、山に入ればそこのヒグマが全て姿を消してしまうと言われ、毛皮商人たちは畏怖の念を込めて彼を「冬眠中の羆も魘される悪夢の熊撃ち」と呼んだ。獲物を横取りしようとする盗人たちを殺したため網走監獄に収監され、刺青の囚人の1人となった。山で死にたいという願いから脱獄を果たした後、第七師団からはぐれたマタギの谷垣源次郎と出会い、共にエゾオオカミの最期の生き残りレタラを狙う。杉元佐一の一味と敵対した後、レタラを仕留めそこなって首を噛み切られるが、自らの最期に満足して息を引き取った。二瓶の刺青人皮は杉元たちの所有物となった。

経歴編集

北海道の猟師編集

猟師・二瓶鉄造は1人で200頭以上のヒグマを狩り、その名声はアイヌや秋田のマタギにまで知れ渡っていた。

収監編集

ある年の春、猟師を殺して獲物を奪う卑怯な泥棒3人が二瓶を標的に選んだ。二瓶は自分の命を狙う者たちに警告を発したが無視されたため、3日がかりでひとりずつ追い詰め、木の棒で撲殺していった。最後の1人は既に山狩りの警察に捕えられていたが、二瓶は警察の目の前で泥棒の首の骨を折り、網走監獄に収監されることになった。

収監中、“のっぺらぼう”の通称で知られる男が、二瓶を含む24人の囚人に金塊の在り処を示す暗号の刺青を彫った。刺青の囚人たちは土方歳三の指揮で網走監獄から脱獄した。囚人たちはのっぺらぼうから「小樽へ行け」と命じられていた。[2]

エゾオオカミ狩り編集

二瓶はのっぺらぼうの指示通り小樽を訪れた(この時点で収監から数年が経っていた)が[3]、すぐに猟師としての活動を再開した。彼はエゾオオカミの最後の生き残り・レタラに襲われ行き倒れていたマタギの谷垣源次郎を助け、行動を共にした。谷垣はアイヌの金塊を狙う第七師団の一員だったが、軍人としての生き方に疑問を抱き始めていた。谷垣は二瓶に説得され、エゾオオカミ狩りという共通の目的のもと、猟師どうし力を合わせることになった。

エゾオオカミを追う過程で、二瓶と谷垣は杉元佐一の一味と敵対した。杉元は二瓶の刺青人皮を欲しており、その相棒であるアシリパはレタラの友人だった。杉元とアシリパは、元囚人の協力者白石由竹から二瓶に関する情報を手に入れていた。

二瓶と谷垣は杉元たちが仕留めたシカの死骸の近くに身を隠し、レタラを待ち伏せした。しかし、レタラは二瓶たちが体臭を消すため体を洗っている隙に死骸に近寄り、糞を残して立ち去った。翌朝、二瓶は一晩かけて糞の見張りをさせられていたことに気付き、レタラへの挑戦のしるしとして、糞を焼いて文字通り「狼煙」を上げた。その後、二瓶はレタラを待ち伏せしたが、アシリパの妨害によって狙撃に失敗した。二瓶は単発銃の弾を使い果たした状態で杉元に追い詰められたが、リュウが杉元の銃に飛びかかったおかげで反撃のチャンスを得た。

二瓶は杉元との戦いで左手の指3本を切り落とされ、左手首を銃剣で貫かれたが、谷垣がアシリパを人質に取り、杉元と白石を降伏させた。杉元の最期の願いを聞き入れ、谷垣はアシリパを悲鳴の聞こえない場所へと連れて行ったが、杉元と脱獄王・白石は拘束を振りほどいて二瓶の前から姿を消した。その後、二瓶は杉元たちよりも先に谷垣(アマッポの罠に嵌まり負傷していた)とアシリパを発見する。二瓶は見晴らしのよい開けた場所にアシリパを連れて行き、レタラを誘き寄せるための餌にした。レタラが姿を現すと、二瓶は負傷した左手を盾に使うことで勝利を掴みかけたが、レタラの「つがい」のオオカミに首を噛み切られてしまった。

死後編集

二瓶は自らの死に様に満足して息を引き取った。杉元は二瓶の皮を剥ぎ、刺青人皮を手に入れる。二瓶の死後、白石は猟犬・リュウを手なずけ、牛山辰馬の捜索に役立てた。また、二瓶が残した村田銃(弾は最後に1発装填されたままになっていた)はアシリパによって回収され、アイヌコタンで保管された。この銃はのちに谷垣の手にわたり、尾形百之助との戦いで使用された。

人物編集

髪に白髪が混じる初老の男性。好物はヒグマで、苦手なものは特に無し。口癖は「勃起」。

獣との勝負に強いこだわりを持ち、狩猟を己と獣の「個性」のぶつかりあいと捉え、獣に共通する「習性」を知り尽くすことで戦いを有利に運ぶことができると考えていた。1人で200を超すヒグマを仕留めていた二瓶は、顔を見ただけで個々のヒグマの気性を見抜くことができた。金塊の争奪戦を含めた人間同士の争いにはほとんど興味を示さなかったが、卑劣な盗人と敵対した際には相手を1人ずつ追い詰めて殺害し、結果として網走監獄に収監されることになった。

15人の子供や女房とは絶縁状態。事あるごとに「女は恐ろしい」と口にした。

秋田犬のリュウを猟犬として飼いならした。

ニヘイゴハン編集

獲れたてのヒグマを使った料理を自らニヘイゴハンと称した。

  • 心臓焼きました - ヒグマの心臓を丸焼きにしただけのもの。
  • 血の腸詰め - ヒグマの小腸を裏返して雪で洗い、腹腔に溜まってプルプルになった血を詰めた料理。二瓶はこの料理法をモンゴル出身の男から教わった。

装備編集

狩猟に単発式の村田銃を使用。「5発あれば5回勝負できると勘違いする」、「1発だから腹が据わる」という考えから時代遅れの単発銃を使い続け、ヒグマと相対した時も予備の弾を出さずに1発で仕留めた。その他、獲物を捌くための刃物やナタを携帯。杉元佐一との戦いでは(レタラに向けて単発銃を撃った後だったため)ナタを使用した。

メタデータ編集

二瓶鉄造は野田サトルによるマンガ『ゴールデンカムイ』に登場する架空のキャラクターである。

キャラクターのデザインや言動は、野田サトルの過去の作品『スピナマラダ!』に登場する二瓶利光(にへいとしみつ)から引き継がれている。

このマンガがすごい!WEBのインタビューで“特に思い入れのあるキャラクター”を尋ねられた際、野田サトルは「二瓶鉄造ですね。主人公に考えていたくらいです。勃起」 「汚いオッサン猟師が主人公だったら、即打ちきりだったでしょうね(笑)」と回答している。[4]

登場話編集

脚注編集